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ダイカスト部品のバリ取りは難しい?発生原因やバリ取りの方法も解説

ダイカスト部品のバリ取りは難しい?発生原因やバリ取りの方法も解説

ダイカスト部品のバリといっても、鋳バリや鍛造バリなど、さまざまな種類が存在します。バリは、放置しているとダイカスト部品としての性能の低下はもちろん、従業員のケガにもつながってしまう決して見過ごすことができないものです。

今回は、基本的な発生原因や具体的なバリ取りの方法をわかりやすく解説していきます。

 

▼弊社のダイカスト製品の製造事例はコチラからご覧いただけます。

帝産大鐘ダイカスト工業 製造事例

 

ダイカスト部品におけるバリ取りの難しさ

基本的に、手作業や部品同士を擦り合わせて研磨するような方法でのバリ取りでは、穴や細かい場所のハリを取り除くことはできません。しかし、部品の素材に合わせた手法を正しく選び出すことができれば、細かい場所でもバリ取りができます。

特に、亜鉛ダイカストは、アルミダイカストと比べて、バリ取りが難しいため、高い技術と知識が求められます。

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バリがダイカストの品質に与える4つの影響

写真引用:ダイカスト品質ハンドブック|日本ダイカスト協会

 

ダイカスト部品にバリが残っていると、次の4つの影響が発生します。

  1. 隣接部品の干渉
  2. 性能の低下
  3. バリの落下
  4. 作業員の怪我

それぞれの影響について詳しく説明していきます。

 

影響①:隣接部品の干渉

パリの基本形状は、突起状です。そのため、組み付けの際、突起状のバリが隣接部品に干渉し、組み付けトラブルに繋がってしまいます。

 

影響②:性能の低下

バリは、ダイカスト部品の性能を著しく低下させます。特に、お互いにこすれ合う摺動部(しょうどうぶ)のパーツは、バリによる影響を大きく受けやすいです。摺動部にバリが干渉していれば、製品の性能を100%発揮することは困難となります。

 

影響③:バリの落下

バリは、決して強度の高いものではありません。そのため、ちょっとした振動でバリは簡単に落下してしまいます。もし、落下したバリを他の部品が巻き込んだ場合、部品を大きく傷つけることになります。また、大きなバリが経路を塞ぐということもあるので、注意が必要です。

 

影響④:作業員の怪我

バリの形状は、突起状でその先は、鋭利に尖っていることがあります。そのため、少し触れただけで指をケガしてしまうことは決して珍しい事ではありません。従業員のケガを予防するためにも、バリは絶対に取り除かなければいけません。

【関連記事】ダイカストの欠陥が起きる理由|欠陥13個の原因と対策を紹介!

 

ダイカスト部品にバリが発生する主な3つの原因

ダイカスト部品にバリが発生する原因としては、次の3つのことが考えられます。

  1. かじり
  2. 型合わせの不具合
  3. ダイカストマシンの選定

それぞれ主な3つの原因について詳しく説明していきます。

 

原因①:かじり

ダイカスト部品の成型時に角Rが小さすぎたり、製品を取り出すのに抜き勾配が不充分であったりすると、金型から製品を抜き出すときに、かじりと呼ばれるバリが発生しやすくなります。

 

原因②:型合わせの不具合

ダイカスト部品の金型では、700度まで温度を上げるため、金型による熱膨張の影響を大きく受けます。その結果、想定外の変形が発生し、金型が開くことが原因となり、バリの発生に繋がります。

 

原因③:ダイカストマシンの選定

ダイカストマシンは、ダイカスト部品に合わせたものを使わなければ、バリがよく発生します。特に、型締力が弱いダイカストマシンは、鋳造圧に負けてしまうため、型開きが発生し、バリの発生に繋がります。

 

ダイカスト部品のバリ取りをする3つの方法

ダイカスト部品のバリ取りでは、主に3つの方法が利用されています。

  1. 手工具を使ったバリ取り
  2. プレス機を使ったバリ取り
  3. 機械を使ったバリ取り

それぞれ、3つの方法について詳しく説明していきます。

 

方法①:手工具を使ったバリ取り

ダイカスト部品が小ロットの場合、手工具を使ってバリ取りを行います。エアーヤスリと呼ばれる空圧工具を使うことで、往復運動によって、きめ細やかな研磨ができます。どうしても人の手によって行われるため、完成の度合いは、その職人の技術次第といったところです。

 

方法②:プレス機を使ったバリ取り

プレス機とプレス金型を使えば、簡単にバリ取りができます。ダイカスト部品に合わせて、プレス金型を作成する必要があるため、プレス金型への一定の投資が必要となりますが、大量生産する製品であれば、しっかりと元をとることができます。

 

方法③:機械を使ったバリ取り

機械加工の工程のなかで、バリ取りを行えば、バリのないダイカスト部品を製造できます。しかし、点検箇所や作業が増えれば増えるほど、それだけ費用が加算されてくため、安易に機械を使ったバリ取りが良いとはいえません。

【YouTube】バリ取りロボットのご紹介

 

まとめ

バリは、ダイカスト部品の性能を下げ、作業員のケガにもつながってしまう厄介な存在です。しかし、非常に厄介なバリですが、取り除けないわけではありません。どのようなダイカスト部品を製造したいのか、どれくらいの数の部品の製造を検討しているのかにもよりますが、正しい手段でバリ取りをしていくことで、しっかりとコストを抑えたバリ取りを実現できます。

もし、ダイカスト部品におけるバリの発生を予防・対処してほしいと思っている場合は、信頼できるメーカーへ対処可能かどうか相談してみましょう。

 

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