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スライドコアとは?処理方法や重要部品についても理解しよう!

スライドコアとは?処理方法や重要部品についても理解しよう!

ダイカスト鋳造においてスライドコアは、複雑な形状の鋳造に欠かせない部品です。特に、側面に凹凸があるような場合は、スライドコアの部品が非常に役立ちます。

今回は、スライドコアとはいったいどのようなものなのか、具体的な処理方法や重要部品についてわかりやすく解説していきます。

 

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スライドコアとはアンダーカット処理方法の1つ

スライドコアとは、ダイカスト鋳造で利用する金型の開閉の動きに合わせて金属内部でスライドしている部品のことです。スライドコアは、複雑な形状の鋳造で使用される金属部品のひとつで、摩耗を原因とする不良のケースが多いため、メンテナンスが欠かせません。

スライドコアは、一般的にアンダーカット処理方法の1つといわれています。

 

アンダーカット処理とは

アンダーカットとは、成形品を金型から取り出す際、何もしなければ離型できない凸凹形状のことをいいます。そのため、離型できるように処理のことをアンダーカット処理といいます。アンダーカット処理は、アンダーカットが成形品の内側にあるのか、外側にあるのかで処理の仕方に違いがあります。

 

スライドコア以外のアンダーカット処理方法

アンダーカット処理は、スライドコア以外の方法でもできます。たとえば、アンギュラピンを使った処理方法です。アンギュラピンとは、固定された金型に設置されたピンのことで、金型が開くとアンギュラピンに沿って、スライドコアが横に移動する仕組みとなっています。

 

スライドコアを成立させる3つの部品

スライドコアを成立させるには、次の3つの部品を利用します。

  1. スプリング
  2. スライドストッパ
  3. ガイドレール

それぞれ、3つの部品の特徴について説明します。

 

部品①:スプリング

降下したスライドコアの戻りを防ぐには、スプリングの部品が必要となります。スプリングは、その力でスライドコアが戻らないように支える役目をもっています。これにより、スライドコアが成形品から外しやすくなる効果があります。

 

部品②:スライドストッパ

スライドコアは、アンダーカットの量+αを動かすケースが多いです。その際、移動量以上に、スライドコアが降下しすぎてしまうことがあります。これでは、型閉じ時に固定側の型板やアンギュラピンやスライドコアが干渉するため、金型を破損してしまいます。スライドストッパがあれば、金型の破損を回避できます。

 

部品③:ガイドレール

ガイドレールとは、スライドコアが動く際、上下に生じるがたつきを押さえ、その動きを誘導する役割をもっている部品です。

 

アンダーカット処理の種類から見る2つの処理方法

アンダーカット処理の種類は、次の2つのケースによって処理方法が異なります。

  1. アンダーカット部が成形品の内側にあるケース
  2. アンダーカット部が成形品の外側にあるケース

それぞれ具体的な処理方法について詳しく説明します。

 

処理方法①:アンダーカット部が成形品の内側にあるケース

アンダーカット部が成形品の内側にある場合、次の方式で処理を行います。

  1. 内側スライドコア方式
  2. 傾斜スライド方式

それぞれ、2つの処理方法について説明します。

 

内側スライドコア方式

内側スライドコア方式とは、アンダーカット部が成形品の内側にある場合に利用される処理方式で、スライドコアを内側にスライドすることで離型できる仕組みになっています。内側スライドコア方式は、内側に凹や小さなでっぱりなどがある際に、よく採用されている処理方式です。

 

傾斜スライド方式

アンダーカット部が成形品の内側にある場合、内側スライドコア方式と同様に、傾斜スライド方式と呼ばれる処理方式も利用されます。成形品を金型から離型する際、突き出し板にスライドユニットを取り付けます。そして、傾斜スライドとスライドユニットで連結することで、製品を金型から離型できます。

動きについて簡単に説明すると、金型を開きます。突き出し板を前に進めることができたら、傾斜スライドが成形品を押し出す仕組みとなっています。そして、同時に成形品の内側に傾斜スライドがスライドするため、アンダーカット部を離型できます。この一連の処理方式を傾斜スライド方式と呼びます。

 

処理方法②:アンダーカット部が成形品の外側にあるケース

アンダーカット部が成形品の外側にある場合、外側スライドコア方式と呼ばれる処理方式を利用します。アンダーカット部を処理する際は、スライドコアを利用します。そして、アンギュラピンと呼ばれる部品を使って、スライドコアをスライドさせます。

また、金型を閉じる際は、スライドコアが後ろに動くのを回避するためにロッキングブロックでブロックし、アンギュラピンで固定していきます。金型を開く際は、固定していたアンギュラピンを取り除き、コアストップブロックを使ってスライドコアの動作を制限します。そして、スライドコアには、コア戻し用スプリングが備わっているため、金型が開いている際に、スライドコアが外れることがないよう拘束します。

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まとめ

スライドコアは、金型の開閉の動きに合わせて金属内部でスライドしている部品のことです。一般的にアンダーカット処理方法の1つとされていて、ダイカスト鋳造において欠かすことのできない処理技術です。

もし、スライドコアに関心がある場合は、信頼できるメーカーへ依頼可能かどうか相談してみましょう。

 

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